「もっとやる気を出して、副業の作業をがんばらなきゃ」 「今日こそは夜更かしをやめて、早く寝るって決めたのに」
私たちは何か行動を変えようとするとき、いつも「自分の強い意志」や「モチベーション」に頼ろうとします。そして、それが続かないと「自分はなんて意志が弱いんだ」と自己嫌悪に陥ります。
しかし、ハッキリ言います。あなたの意志が弱いのは当たり前です。なぜなら、人間は自分の意志で行動していると強烈に「勘違い」しているだけで、実際は目の前の「環境」に動かされているだけの生き物だからです。
『勘違いが人を動かす』という本の中で、それを証明するとても面白い実験があります。
スーパーの棚に置かれたポテトチップス。 それを、人が一番手に取りやすい「真ん中の段(目線の高さ)」に置くか、それとも少ししゃがまないと届かない「一番下の段」に置くか。
たったこれだけの違いで、売上はどれくらい変わると思いますか? 正解は、「売上が2倍も違う」です。
味や価格が変わったわけではありません。人間は、ただ「そこにあって楽だから」という理由だけで、無意識に手を伸ばし、行動を変えてしまうのです。
この「めんどくささを引き算して、徹底的に楽をさせる」という環境の設計こそが、マーケティングでも、あなたの人生でも、すべてを激変させるバタフライ効果(初期設定の力)になります。
1. 売れないLPは、ユーザーに「めんどくさい」を足し算している
この「ポテトチップスの真ん中の段」の理論は、WEBデザインやLP(ランディングページ)の世界において、そのまま100%当てはまります。
売れないLPを作ってしまう人は、とにかく情報を「足し算」して、ユーザーに考えさせようとします。 「うちの商品はここも凄くて、あれも出来て、詳しくはこちらのページを読んで、購入はこちらの入力フォームに氏名と住所とアンケートを書いて…」
これでは、一番下の段に置かれたポテトチップスと同じです。ユーザーに「探す、選ぶ、入力する」という強烈なめんどくささを強強に強いています。現代人は、ほんの1ミリでも「めんどくさい」と感じたら、その瞬間にスマホの画面を閉じます。
一方で、売れるLPは、徹底的にユーザーを「楽」にさせます。
スクロールしていった、まさにその手元の位置に「購入ボタン」が自然と現れる。
余計なリンクやメニューはすべて「引き算」され、迷う余地がない。
入力項目は最小限で、親指一本で注文が完了する。
人間は、一番楽なルートしか歩きません。ユーザーの思考と手間をどれだけ引き算できるか。その初期設定の差が、文字通り売上を2倍、3倍へと変えていくのです。
2. 副業もライフスタイルも、「意志」ではなく「棚の高さ」で決まる
これは、あなたの日常のパフォーマンスを整える上でも全く同じです。
「夜、寝る前にスマホをダラダラ見ないようにしよう」と、枕元にスマホを置いたまま自分の意志の力で戦おうとするのは、ポテトチップスを顔の前にぶら下げられながら「食べるな」と言われているのと同じです。本能が勝つに決まっています。
やるべきことは、意志を強くすることではなく、環境から「楽」を引き算することです。
スマホを充電する場所を「寝室」から「別の部屋(リビング)」に変える。 ただそれだけのことで、スマホを触るためにわざわざベッドから出て別の部屋に行くという「強烈なめんどくささ」が生まれます。
結果、脳は触るのを諦め、あなたは静かな睡眠(黄金の時間)を手に入れることができる。 小さな環境の初期設定を変えるだけで、翌朝のクリアな頭、そして副業に向かうための圧倒的な集中力という「巨大な嵐(バタフライ効果)」が勝手に巻き起こるのです。
3. まとめ:やる気の空中戦を捨て、地べたの仕組みを作ろう
自己啓発本に影響された人は、「モチベーションを高めろ!」「熱い想いを持て!」と空中戦の言葉で人を動かそうとします。しかし、地べたの現実世界で人を動かすのは、いつだって「楽か、めんどくさいか」という泥臭い環境の設計です。
人間は、環境にハッキングされる天才であり、勘違いの奴隷です。
もしあなたが、ビジネスで成果を出したい、あるいは自分の人生のコントロール権を取り戻したいと思うなら、今すぐ精神論をゴミ箱に捨ててください。
ターゲットが一番手を伸ばしやすい「真ん中の段」に、静かにあなたの仕掛けを置いておくこと。 自分の生活のノイズを引き算し、動かざるを得ない「仕組み」に自分の身体を放り込むこと。
さあ、あなたのライフスタイルや、あなたが作るデザインの「棚の高さ」は、今どこにありますか? 無駄な足し算をやめ、最も楽な一本の導線を、淡々と引いていきましょう。