
都会に戻る夕方のフェリーの中で、私はスマホの電源を再び入れた。 起動した画面には、数時間分の通知がたまっていた。けれど、不思議なほどそれらが「どうでもいいこと」に思えた。ネットの海にある情報の9割は、自分の人生にとってあってもなくても変わらないノイズだ。
私たちは、手元の小さな画面の中にある「足し算の虚業」に夢中になるあまり、目の前にある「現実の密度」を見失ってしまう。
本当に大切なものは、いつも泥臭くて、シンプルで、地べたにある。 信頼できる大切な人と静かに過ごす時間。 自分の腕一本で、誰かのために手触りのある仕事を形にすること。 そして、他人の声に振り回されず、自分の頭で深く考える静かな空間。
能古島へのわずかな逃避行は、私にその「引き算の真実」を教えてくれた。
もし、あなたも毎日のノイズに溺れそうになっているなら、今すぐすべての画面を閉じて、フェリーの切符を買ってほしい。 そこには、あなたがずっと忘れていた、本当の静寂と現実が待っているはずだ。
